お酢だって色々あるよ

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違いは即効性

大枠で「酢」《酢酸(さくさん)》と「もろみ酢」は同じ

「もろみ酢」は、最初から《クエン酸》だが、「酢」《酢酸(さくさん)》は「からだ」の中で《クエン酸》となり→クエン酸回路に入る。

「酢」《酢酸(さくさん)》はひと手間かかっているもののどちらも「からだ」中でクエン酸回路に入って疲労物質の乳酸などを取り除いてくれる。両方共優れもの。

もろろん、それぞれの製法や酵母によって成分や風味、特性などの違いは出てくるが一番期待したい有効性は同じ。最近ではカリウムの分析結果(数値の表示)も表記されるようになった。

食べ物によって役割は違うのだ!

お酢がダイエットや美容によいと報道されているが、ダイエットや美肌を望むのならば、炭水化物、脂肪、たんぱく質を代謝する役割をもっているビタミンB2を積極的に摂取することだ。そして相互作用を期待してビタミンBコンプレックスを重視した方がよい。

お酢系列を摂取することでクエン酸回路が働き、活動的になり肌ツヤがよくなる、笑顔になる、気力が出る。という二次的要素は十分に考えられるがクエン酸回路は代謝に関与しているというだけで直接的にお酢がダイエットや美容によいという理論に結びつけるのは疑問である。

実際に成分分析表をみても米酢や穀物酢、りんご酢・果実酢にも同様に期待したい量のビタミンB2は入っていないし、酸味がやや強すぎ、胃の粘膜を損傷する可能性があるので希釈しないで摂取することは厳しい。そのため期待したい相当量のビタミンやアミノ酸を摂取することは難しい。

からだは正直!

酢酸(お酢)が無意味だとは決して思わないが、あくまでも食品であるので大きな期待で過度な摂取をするより、参考程度もしくは出来れば摂取したいものという位置つけで十分である。どんなものも、プラスの効果とマイナスの効果がある。「からだ」が要求していないのに報道がされたからと、摂取する必要はまったくないし、さらに過剰な摂取は非常に乱暴な話だ。

夏になれば「からだ」を冷やす「きゅうり」や「ナス」が食べたくなるように、酢の物が食べたい時は「からだ」が要求しているのだ。そんな時に美味しく頂ければいいのだ。

食酢は紀元前5,000年ごろにバビロニアで作られていたと伝えられている(参考文献:食材図典|小学館)黒酢やビネガーなどは《酢酸(さくさん)》の食酢である。人は経験的に夏バテや日常的な家事労働や仕事などの疲労を取るために、胃を荒らしやすいので少量ずつ飲み物に混ぜて摂取したり、食事のメニューにしたりして生活の中で取り入れて来た。

お酢やもろみ酢に代表されるようなクエン酸を摂取する意味は人類にとって大きいので貴重な食品であることは間違いない。

その中でも、もろみ酢は最初からクエン酸であるがゆえに、即効性が期待できて希釈しなくても飲める。梅干や柑橘系もクエン酸食品である。

筋肉が少ない状態で運動を始めれば、当然のように疲労度は大きい。そういう意味合いでは、疲労で足が上がらないような時に「からだ」の負担をはやく取り除くために、

もろみ酢・梅干・柑橘系の摂取を検討すると良い。

登山中の食料に「梅干入のおにぎり」が優先される理由は、①携帯適している②歩きながらでも食べられる③塩分・クエン酸・炭水化物(からだを動かす為の即効性のあるエネルギー)が摂取出来るからである。実に理にかなっている。

お酢の種類はたくさん(原料ベース)ある!

必須アミノ酸が入っているのは、穀物酢系だが、期待する有効性が同じなら、あとは風味や調理方法や摂取方法、好みを考慮して美味しく取り入れる!

※本来の酢を希望するなら、原材料名にアルコールの表示がないものを選ぶ

■穀物酢

米酢(よねず・こめず)

【もろみ酢】泡盛の副産物|米に黒麹と泡盛酵母で泡盛を作る工程で出来る|クエン酸なので酢のような酸味は少なくまろやか。柑橘系と同じようにそのまま薄めずに飲めるのが特徴と言われている。

【玄米酢(げんまいす)】玄米を使用するのが特徴、長期間の熟成させる|特有の色、風味があり、こくとまろやかさがあると言われている。

【黒酢(くろず)】鹿児島県福山町などで生産される、米酢の一種|大型の中国式壺に蒸し米と麹、水を密封。屋外で1~3年間の自然発酵|まろやかな味であると言われている。

大人気の福山玄米黒酢-天皇、皇后陛下の行幸啓に展覧目録第12号の栄誉に輝いた玄米黒酢。農林水産省「ふるさと認定食品」全国第一号200年以上の天然壷づくり露天醸造酢 「酢」生活のススメ1日1杯あたり33円からのサラサラ生活

【粕酢(かすず)】日本酒の副産物|酒粕の抽出液とアルコールを混ぜる、もしくは酒粕を1~2年貯蔵し再発酵させる2通りの方法がある|色が濃くこくがあり成熟粕の香りを持つと言われ、日本料理や寿司に利用される。

【麦芽酢(ばくがす)】イギリス・ドイツ・アメリカでよく使用される|主原料は麦芽・麦・トウモロコシなど|ビールに似たさわやかな香気があると言われ、洋風料理に適していると言われている。

■果実酢(かじつす)

【アップルヴィネガー】|りんご酢|りんご果汁をアルコール発酵したうえで酢酸発酵したもの|上品で爽快な香りを持ち酸味が穏やかと言われている。

【柿酢(かきす)】|甘柿・渋柿を使用。果実に付着した菌(酵母)を利用した商品|まろやかとこくがあり日本料理に向くと言われている。


ワインヴィネガー(ぶどう酢)】|ぶどう果汁をアルコール発酵しワインにした上で酢酸発酵|ワイン特有の香りを持つ、赤酢はタンニンが多くやや苦味と渋みが特徴・白酢は赤酢に比べくせがないと言われている。

【蒸留酢(じょうるうす)ホワイトヴィネガー】|果実酒のアルコール分を蒸留し凝縮して14%以上の濃度にしてから酢酸菌を加える|欧米に多く流通している。

お酢は保存性や抗酸化性を高める、ph調整用としても利用されている。

「わきが」には、脱脂綿やスポンジに米酢をたっぷり含ませて!

伝承的に米酢はわきが・すそわきが(性器部分)に効果があると言われている。

酢の殺菌効果に期待し脱脂綿やスポンジに米酢をたっぷり含ませて、丁寧に脇の下や陰毛、足の付け根にすり込むようにして拭く。

「わきが」が気になって運動できない人にはお勧めだが、肌の弱い人、傷などがある場合は使用しない方がよい。